地方都市をつかむ!新潟&東北〈準備編〉

さて、今日から4日間、新潟&東北方面にお出かけである。PRや発信することに長けておらず、継続性もないため、ブログのようなものは過去続いたことがないのだが、ものは試しというもので、地方調査の舞台裏をお見せしてみようと思う。

行くまでの準備

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実は行くまでが時間がかかる。どの地方都市に行くかを絞り、複数の都市を効率的に回るルートを検討する。このとき、全ての列車の時刻、都市内の回る場所ピックアップと所要時間の策定もするので、計画を作るだけで半日以上を要する。こうして、低予算で抑えられたら調査決行となる。何かしらの条件が合わなければ、計画だけ作られて見送りとなる。

47都道府県の主要都市が未踏だった頃は、どこが未踏か、未踏の都市を優先で回っていたが、現在は、未踏の小都市と、既に回ったが回ってから時間の経った都市、事情に多少変化のあった都市を優先的に回ることにしている。

期間と予算、交通手段

 

日数は3〜4日ほど、予算は交通費が1日3000〜5000円、宿泊費が3000円ほどで、1日2〜3都市の市街地調査を詰め込む。そして移動は車でも特急でも高速バスでもなく、普通列車(あるいは路線バス)だ。青春18きっぷを使うことが非常に多い。

予算低減の目的もあるが、普通列車や路線バスを使う目的は他にもある。特急や高速バスの乗客の大半は外来者だが、ローカルな公共交通は、ほぼ地元の人しか乗っていない。地方だと高校生や高齢者等、生産年齢人口の両端に限られるが、それでも地元の空気に浸ることはできる。また、人の多い区間と人の少ない区間のコントラストを体感することができる。人の多い区間は都市圏内、あるいは公共交通が機能するほどの人口密度で、その外はそうではない、ということだ。

例えば、南から目的地の都市を通って、北に移動する場合は、少なくとも南端と北端を感じ取ることはできる。移動と郊外把握を兼ねて、かつ交通費を抑えることができるので、普通列車(あるいは路線バス)は外せないのだ。

一体どこを回るのか

さて、一体どこを重点的に回るか、だが「その都市で最も人を集めるところ」あるいは「集めていたところ」だ。とりわけ、郊外のイオンが自家用車ユーザーを集めているのは想像がつく。地図でどのあたりにどの規模の郊外商業施設を把握しつつ、回ることもあるが割愛することもある。

問題は、中心市街地だ。全国的にどこも地方は「寂れている」印象があるが、実は一辺倒ではない。往時の勢いはないかも知れないが、商店街はそこそこ生き残っている場合、商店街は死んでいるが中心地の大型商業施設が健闘している場合もある。実はこれは、地図を見ただけでは想像がつかない。そしてイオンとは異なり、都市によってその様相は大きく異なる。

郊外の風景は、移動中の普通列車の車窓から観察する。あるいは、時間をとる場合は典型的な郊外住宅地と都心部を結ぶ路線バスで往復することもある。

地図と予定表

こうして作られた予定表は2部印刷し、1部をポケットに、1部を荷物の中に入れる。また、都市地図は昭文社のマップルシリーズをカラーコピーしたものを持ち歩く。ネット地図では縮尺がつかみにくいことが大きな欠点であり、昭文社マップルはどのネット地図よりも、複雑な情報の見せ方には長けており、情報量もデザイン性も高い。

また、A3見開きの情報量は、27インチのPC画面の情報量より大きい。画面の解像度は、まだ紙の印刷精度を超えていないのを、地図を見るととても実感する。書き込みができること、タブレット端末よりも広範囲の閲覧が可能でかつ軽いことから、まだ紙のほうが使いやすい。携帯で地図を見るときは、目的地の位置を点で確認するときのみで、都市の全体像、市街地の全体像を「面的に」確認するのには、ネット地図は向かないのである。

今回の行程

今回は、(東京→)長野→上越(高田)→新潟→秋田→山形→米沢→会津若松(→東京)を、4日間で回る。そのほとんどは2006年に回った都市だ。さすがに8年では多少の事情が変わっている。2006年時点では回りきれていない所もあるので比較ができず惜しいところだが、2004年の地図と2014年の地図を比較すると、その変化が見て取れる。

こうして、現地に赴く際は、以前の地図を見てから行くと、なお事情はつかみやすい。歴史的背景を抑えるためには数十年前の地図が良いが、商業環境、現代人の日常生活を追うには、10〜20年を追うだけでもそこそこの変化があるのだ。

ここ8年間の変化をみつめる

こうして都市を回る際には必ず写真を撮るのだが、合計10万枚を超えている。今回回る都市のほとんどは、8年前にも回っている。そのときに撮影した写真と比較することで、定点比較ができる。今回、全ては合わせられないが、以前撮影したポイントで変化があった場合、定点比較ができるよう、重要な写真を抜き出して都市ごとに印刷した。これも予定表、地図、カメラとともに持ち歩くこととする。これは今回が初である。

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人と一緒のほうが疲れない

これは、私の都市調査あるあるなのだが、人と同伴のほうが疲れは少ない。人がいると、残り時間5分で無茶な調査はしないし、そもそも無理なスケジュールを組まない。炎天下で上り坂を上り続けたりもしないし、多少の休憩を入れる。同伴者が私本意の都市調査に巻き込まれては気の毒なので、同伴者がいるときは人に優しくなることができる。しかし回る効率は2分の1に落ちる。

一人だと逆に言えば、2倍速になる。だからこそ短時間で、都市の把握が可能となっている。気を遣わないのは楽である反面、体力は消費する。その代わり収穫は大きい、ということだ。

続編は書くのか

・・・分かりません。

元気があれば!汗

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