フェリーとバスで簡単に回れる石垣島&西表島&その他島々

先日、初めて八重山諸島(石垣島・西表島など)に行ってきました。
旅行記を書いたほうが良いのでは?」と知人から指南を受け、書こう!と思い腰を上げました。が、読む方々にも最初に全体感をつかんでもらった方がスッと入りやすいだろう・・・

というわけで、作りました。全体図。

ishigaki_iriomote_all

結果、意外と役に立ちそうな、八重山諸島交通地図ができました。
(ああ、私が行く前に作って持って行きたかった・・・)
ちなみに、線の太さは運行本数です。太ければ太いほど不安なく移動できます。石垣市街地〜新石垣空港のバスは15分間隔、石垣島〜竹富島は約30分間隔です。あとは…細いので時刻表を見ましょう。

(※12/25追記。舟浮→船浮、石垣市街地〜新石垣空港間に新規参入バス会社「カリー観光」追記)

まず、特徴的なのは、それぞれの島と島の距離が近いことです。
石垣島を起点に、この図中の島々は、フェリーで行っても片道10分〜1時間以内、運賃も600〜2,000円程度で、意外と小回りのきく回遊性です。これほど近い距離に島々があるのは、このあたりと瀬戸内海くらいじゃないでしょうか。

島々の全体像

石垣島と西表島の面積は似たようなものですが、面積は西表島は289.61k㎡(全国12位・沖縄県2位)、石垣島は222.18k㎡(全国21位・沖縄県3位)です。石垣島の中心地(フェリー発着点、地図中左下)から、平野(地図中右上)まではバスで1時間30分、西表島は1周する道路はなく…半周するバスでも1時間45分かかります。

その一方で人口は20倍近くの差があります(石垣島 約5万人、西表島 約0.25万人)。石垣島は平野が多く、西表島はほとんどが山林で、イリオモテヤマネコ等貴重な生物が生息しています。この組み合わせ、種子島(約33,000人/444.99k㎡)&屋久島(約13,000人/504.29k㎡)とも似ていますが、それ以上のコントラストがあります。

また、この2島以外の離島、人口数百人の島々こそ、開発されない「南の島」として、観光客に人気があったりもします。特に竹富島は家並みの伝統的な景観が保全され、観光地としての人気も高くなっています。

竹富島
(写真は竹富島)

また、地図の下方、新城島を構成する2つの島(上地島、下地島)は干潮時に歩いて渡ることができ、2島の面積は親しいものの、やはり人口は偏っています。(ちなみに宮古島の近くにある下地島とは違う)

それも、上地島は13人、下地島は1人・・・(人口が1人とか、キニナル・・・!)この人がいなくなると無人島になるわけです。ところで1人で何をされてるんでしょう。気になります。ちなみにフェリーは定期便はなく要予約、チャーター便です。

石垣島の移動

この地図の中で空港があるのは石垣島のみです。(地図の外、100km少々離れた与那国島には空港があります)
石垣空港は2014年に市街地至近から今の場所に移転し、空港から市街地・港まではバスで35〜40分(540円)で、15分間隔で運転されているので便利です。空港と市街地を往復する場合は、往復1,000円の割引きっぷ、当日中に石垣島内の他の地区(川平、伊原間、平野方面)に行く場合は島内のフリーパス(1日1,000円、5日2,000円)が便利で、いずれも車内で購入可能です。

東運輸
http://www.cosmos.ne.jp/~bus/

東(あずま)運輸バス その1 東(あずま)運輸バス その2
東(あずま)運輸バス その3
…Webを見る限り古そうなバスが走ってる感じですが、今やほぼ新車です。昨年に石垣空港が新しくなって、バスの運行距離が伸びて運賃収入が上がったためなのかどうかは分かりません(邪推)。

(12/25追記)なお、カリー観光という新規参入バス会社もあり、石垣市街地〜新石垣空港間は完全に競合しています。時刻は1時間に1〜2本です。

カリー観光
http://karrykanko.com/bus.html

島々の移動

石垣島内のバスの起点となるバスターミナルと、各フェリーが発着する「離島ターミナル」は通りの斜向かいです。「離島ターミナル」とは、石垣島と周辺の離島を結ぶフェリーターミナルですが、このあたりを移動すると石垣島が断然都会に見えてくるので、石垣島がそもそも「離島」であることを忘れてしまいます。1時間あたり約3便が発着し、フェリーの乗り場も1〜6番乗り場まであります。まさに電車のホームと似た感じですが、6番線まである駅となると…小さい駅ではないですよね。

その代わり、石垣島を除く各島同士の移動は困難を極めます。行けない組み合わせが数多く、行けても1日1便程度だったりします。離島旅行は石垣島を起点に考えましょう。(ほら、もう石垣島を「離島」だと思わなくなってる)

離島ターミナル3、4番乗り場
(離島ターミナル3、4番乗り場)

P1360234A
ちなみに、それぞれのフェリーに乗ると、あらゆる郵便物やゆうパック、商店間移送の段ボール等が積まれています。そう、小さなフェリーながら貨物便も兼ねているのです。

離島ターミナル・各フェリー会社

このあたりのフェリー会社は3社あり、3社ともばっちり競合しています(ほぼ似たような航路を走っています)。このうち、古参の安栄観光と八重山観光フェリーが共同運航で、安栄観光のチケットを買えば八重山観光フェリーに乗れますし、逆もまた然りです。乗る際は気をつけるのは、西表島内のバスくらいです(後述)。その他、2007年に新規参入した石垣島ドリーム観光は単独で、古参2社の6割くらいの便数を出しています。

安栄観光
http://aneikankou.co.jp/
安栄観光フェリー

八重山観光フェリー
http://www.yaeyama.co.jp/
八重山観光フェリー

石垣島ドリーム観光
http://www.ishigaki-dream.co.jp/
石垣島ドリーム観光

ところで、3社の時刻表をまとめて見られないものか・・・
ついでに、フェリーだけでなく新石垣空港〜離島ターミナルのバス便の時刻も見たいですよね。
良いサイトを発見しました。

八重山、船の時刻表(沖縄・離島の旅)
http://okirito.com/yaeyama/

いやはや便利・・・(私が石垣島に行く前に見つけておけば良かった・・・)

西表島の移動

西表島の移動は、幹線道路がほぼ1本しかなく、宿や観光スポットもその道沿いにあるためシンプルです。(森の中をアドベンチャーしない限り)

ですが、2つほど厄介な点があります。
1つは港が2つあること。大原港は運賃も安く欠航しにくいものの、島の北部、西部方面へのアクセスが遠いのが難点です。上原港は各地へのアクセスが良いものの、若干運賃が高い…のは良いとして、欠航しやすく当日にならないと出るかどうかが分からないので、予定が立てにくいのです。

ちなみに上原欠航時、無料振替バスが出ますが、もう1つ厄介なのは、このバスを含めたバスの全体像です。上原欠航時だけでなく通常時もフェリー会社の無料バスが出ます。各フェリー会社がそれぞれ別個にバスを出している上、欠航時だけバスのダイヤが変わり、さらには路線バスもあるので、少々ややこしくなっています。

*フェリー会社が運行する無料バス
西表島の大原・上原各港から、西方面(上原〜白浜間)を結ぶ無料バスが運行されています。なんと親切。ですが、古参2社のみで石垣島ドリーム観光はありません。安栄観光が7便、八重山観光フェリーフェリーが6便(うち路線バス4便は無料券対応)で、このバスは共同運行ではなく、各社が別々に運行している上に、便によってはどちらかの会社のバスしか出ない、なんてこともあります。なので、西表島内で接続するバス便を調べてから、その会社のチケットを買う必要があります。

ちなみに、港から各地まで乗る際には問題ありませんが、各地から港に向かう際、安栄観光の無料バスはバス停がないので注意しましょう。路線バスのバス停とは微妙に異なるところで泊まります。


大衆食堂「しこや」の前(干立地区は、大衆食堂「しこや」の前。ここにバスが止まるなんて誰も思うまい。)

そのあたりの情報は地元民、あるいは宿泊施設が把握している模様です。

*路線バス
さきほどの無料バスが使えるのは、同じ会社のフェリーにすぐに乗り継ぐ場合のみ。そして区間も上原港〜白浜間のみです。(上原港〜大原港間は、上原就航時も欠航時も走っていますが、その間は通過します。)

そこで、島内を自由に移動できるのが、路線バスです。都市部の中古バスが、前の会社の塗装のまま走ることでバス愛好者間で話題になりますが、2015年12月現在は珍しくオリジナル塗装のバスでした(おのみちバスに似てますが、元京成バスらしい)。なお、もう一台は川崎市営バスの塗装のまま走っています。以前は都営バスや神奈中バスも走っていたようです。
西表島交通

西表島交通
http://www.iriomote.com/web/access/bus/

1日4往復走っていますが、その外観以上に、実際に乗るとおもしろさが倍増します。運賃箱は、自動化された機械仕掛けの箱ではなく、単なる箱で、まるでアジアのバス。乗るときに行先を告げると、運転手に運賃を告げられ、箱にその運賃を入れます。両替やお釣りは…おそらく運転手が対応するのでしょう(私はぴったり持っていたので分からず)。車内で聞こえるのは地元ラジオで、停留所名を告げるアナウンスはありません。その代わり、乗るときに運転手が乗客がどこで降りるか記憶しているので、そこで止まります。
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「干立まで」とバス停名を告げたのですが、「宿はどこですか」と聞かれ、とっさに思い出せず「みなみぬ…なんでしたっけ」と言うと「あ、南ぬ風(ぱいぬかじ)ね」と言われ、そうだそうだと思ったのでした。そして干立バス停を少し過ぎたところで運転手に「ぱいぬかじのお客様〜」と告げられ、最寄りの交差点で降ろされたのです。なんというか、ほぼタクシー

では、実際に石垣島、西表島、竹富島を回ってみると?という話は、また次回〜。

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