お久しぶりです。1ヶ月以上更新を空けてしまいスミマセン。
直近のネタですが、韓国に6日ほど行っておりました。その中でも3日間、釜山からソウルまで、市内バス・農漁村バスだけでの移動を実践してみました。
大体の遠出は一人で思いついて出かけるのですが、今回は韓国の路線バス好きという共通の趣味を持ったえびちゃんが発起人。珍しく2人旅です。私に比べて韓国語は心強く、知識含めマニア度も高めという心強い同行人です。
私はと言うと、コース(路線・時刻)選定担当です。結果的にはこれがかなり厄介なのですが、それも含めて農漁村バスの醍醐味と言えます。
釜山からソウルまで、3日間、30路線を乗り継いでの移動です。市内バスを乗り継いで釜山からソウルまで移動した人のブログもあれば、新聞記事もあります。早くも朝4時から深夜1時まで気合いの乗り継ぎをしています。それ以上に、乗り継ぎがスムーズで、待ち時間がほとんどありません。
今回はそれに対抗するでもなく、さらに時間をかけて回っています。ひとくくりに「市内バス」と言っても、ローカル感は簡単に味わえません。韓国では「国道」と言えば都市部では車線の広い幹線道路で、歩道も信号もありますが、都市と都市の間(田舎)では、信号のない立体交差が続き、ほぼ高速道路と変わりません。だからこそ先人もこの距離を、高速バスを使わずに1日で辿り着けたのです。
写真を見る限り高速道路に見えますが、これは一般国道です。
これでは・・・早くは移動できるけども、風情はない・・・
そこで、敢えて旧道や農道を積極的に通るバスを選んで乗り継ぎます。市内バスの中でもとりわけ農漁村をくまなく回るバスは「農漁村バス」と呼ばれています。今回はこの農漁村バスを乗り継いで行くことにします。
高速道路のような国道を直進せず、側道から脇道に入ると、ローカルな農漁村の世界に入ることができます。
左の車窓より右の車窓を経てこそ、農漁村バスをマスターしたと言えるでしょう。韓国では高速道路のような高規格道路だらけなので、敢えて選ばないと味わえないのがミソです。
さて、韓国においては、都市部でバスに乗るのは難しくありません(ハングルが読めればですが)。何よりバスの本数は多く、全ての路線はネットで調べることができるのです。都市部のバスは、時刻表がない代わりに、系統ごとに「配車間隔」(배차간격)が設定されています。つまりこれは運行間隔。「5〜8分」「10〜16分」などと書いてあるのが一般的ですが、多くの路線で、少なくとも10分前後待てば次が来るのです。
だからこそ、「市内バスで韓国全土を乗り継ぐのは容易では」というのが最初の目論見でした。ところが、市街地と農村部では事情が異なります。
幹線バスはネットで路線を調べても、「配車間隔60分」と書いてあれば良いほう、「配車間隔180分」「配車間隔 日5回」と書いてある路線も多くあります。3時間待ちに、1日5回。じゃ待とう、なんて気にはなりませんよね。時刻を調べる必要が出てきます。
都市部のバス停では、路線図と配車間隔が書いてありますが、地方に行くとバス停があっても、書いてあるのは路線番号と行先のみで、時刻表が貼ってあるのはレアケースです。始発となるバスターミナルには時刻表が出ているので、なるべくバスターミナル発着になるように組みました。あとは、市や郡のページからバス時刻表を探し出すと、Excelファイルや、郡によってはハンコム(日本で言う一太郎・三四郎的な…韓国でのオフィスソフト)で作られているものもあるので、ハンコムリーダーをインストールの上、路線を読み解き、始発・終着停留所の時刻から発着時間を予測します。この表が何より見づらい…。
こうして乗る路線と時刻を定め、農漁村バスツアーは始まりました。
さて、韓国のバス料金は均一運賃でわかりやすい、というメリットもありました。ソウルでも釜山でも、中心部を貫通して20〜30kmくらい走る路線が一般的です。東京で言うと二子玉川〜浅草、大阪で言うと堺〜千里中央、みたいな路線もざらにあります。それでも均一料金(100円台前半)なのでお得です。
均一料金ゆえ、乗るときにカードをピッとタッチするか、運賃箱に現金を入れるのみ。日本の多くの地域のように、運賃は変動性で、整理券をとって後払い…とは事情が違います。事情が違う、と思いきや・・・
あれれ、区間ごとに運賃が違う、という路線がありました。実は自治体によってかなり事情が異なります。長距離でも均一料金の路線もあれば、区間ごとに運賃が異なる路線もあります。(それでも日本以上に高くなったりはしません。100円台前半から200円台後半まで。1路線だけ400円程度の路線がありましたが)
運賃の支払い方法は、ゆるい信用乗車制度(前払いのときに行先を言う)です。ほとんどの都市で前払いですが、密陽市では乗るときに払う人も降りるときに払う人もおり、前払いなんだか後払いなんだかわからない、ゆるい支払い制度となっていました。
さて、「バス停に情報がない」と申しましたが、それはまだ良いのです。バス停があるからです。バス停がないこともあります(写真は獐洞/チャンドン/장동バス停。)。バス停があっても、「このバス停で良いのか?」なんてこともあります。
韓国人は、日本人の20〜50倍くらい(大阪人の10倍くらい)は通行人に道を聞きます。郷に入っては郷に従え、視覚情報ではなくコミュニケーションで情報をつかんでいくのが韓国流。つまり聞けば良いのです。人に聞くのは普通のことなので、さらっと教えてくれます。
上東(サンドン/상동)駅では、密陽市(ミリャンシ/밀양시)のバスはバス停に止まりますが、清道郡(チョンドグン/청도군)のバスはそのバス停…から少々北にある、少々朽ちた乗り場というか広場というか…に着きます。上東駅の駅員さんに聞くと「密陽市のバス停に清道郡のバスも来る」と案内してくれましたが、実際そうではなかったのです。
また、大邱(テグ/대구)北部市外バスターミナルの係員に、倭館(ウェグヮン/왜관)行の市内バス情報を聞いたら、市内バスはいないと市外バスを案内されました。係員たるもの、管轄以外のことは知らないのです。
一番バス情報を知っているのは、運転技師様(韓国での運転士の呼称)です。駅やバスターミナルの係員よりは技師様を味方につけましょう。降りるときに乗り継ぐバスがどこに止まるかを聞いて、得た情報をつなぎながら乗り継いでいくと確実です。
詳しくは続編で〜(おいおい書きます)