北朝鮮レポート(4) 北朝鮮のバス

韓国バス旅の直後ですが、その前に北朝鮮バス情報をお送りします。

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平壌では市内バスが走っていますが、地下鉄(2路線)、路面電車(3路線)、トロリーバス(6路線以上)がメインで、これらで大体の範囲をカバーしています。(リンク先はいずれも西船junctionどっと混む/路線情報が充実しています)

それを補完するように、存在感は薄いもののバスが走っています。左はパルゴル(팔골)〜第二百貨店(2百/2백)、右は船橋(선교)〜平壌駅(평양역)。橋の耐荷重不足による路面電車1号線の廃止区間を補完する系統と思われます。こうした市内バスはその他の都市でもほとんど見かけませんが、こうした都市では自転車や徒歩がメインなのでしょう。

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続いて市外バスです。左は平壌(평양)〜麟山(リンサン/린산)、右は平壌(평양)〜苔灘(テタン/태탄)のバス。行先がフロントガラス上部に貼り付けられています。長距離高速バスがまさかのマイクロバスですが、これは平壌〜開城高速道路で走っていたバスです。利用者が少ないから小型なのか…と思いきや、補助席も埋まっていてかなり利用者は多い模様。高速道路を下りた先の道路が狭いのではないかというのが個人的な推測ですが、そもそも麟山とか苔灘って一体どこだよ、ということで地図を添付します(人口つき)。

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どこだか注記を入れていませんが、苔灘は地図の左下、麒山は右下です。

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こちらは逆側、北部を走るバスです。行先は新義州(左下に掲示あり)ですが、遠くから撮ったため上部の掲示が判読できず、どこから来たバスかは分かりません。宣川郡で撮られたものなので、定州か安州か平壌か…どこかから来たバスでしょうか。かなり細い道に見えますが、これが地方における高速道路に準ずる幹線道路(国道)です。もちろん都市部に入ると道幅は拡がります。自動車が少ない分、それで間に合うというか、日本を含めた世界の国々も、つい50年前まではそうだったと思われます。さきほどの麟山・苔灘便はさらに狭い道を通るのではないかと思われます。(ああ、乗りたい・・・)

ちなみにこうした長距離バス(市外バス?)のターミナルは、平壌市南西部の楽浪区域にあるようです。まず観光スポットもないので、その片鱗も見かけることはできませんでしたが、き、気になる・・・

もう1つ話題になるのが、日本からの中古バス。

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左は元阪神バス、右は元相鉄バス。

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左は元阪急バス、元神戸市営バス、元大阪市営バスという関西勢で、右はまた別の元大阪市営バス。

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左は元遠鉄バス、右は…色も謎ですが行先方向幕の位置も謎。「自動扉」の漢字と左ドアが元日本車であることを物語っています。

さて、これらのバスは路線バスではありません。行先が書かれていませんが、これは貸切バスで使われているようです。それもそのはず、右ハンドルで左にドアがあっては、右側通行の北朝鮮で頻繁にバス停に止まる路線バスは運行しにくいことでしょう。アジア各地で日本の中古バスはドア位置を左から右に変える改造をして走っていますが、貸切なら頻繁に止まることもなく、そこまで気にしなくて良いでしょう。(あれ、お気づきの方もいると思いますが、さきほどのマイクロバスの高速バスも、ドアが左についているものが…これも長距離だから気にしない、ということなんでしょうか…)

高速路線バスがマイクロバス、貸切バスが路線バス車、という、何か逆転しているような気がしなくもない北朝鮮バス事情ですが、最後に、事実上の路線バスをお届けして終えたいと思います。

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おお、ダイナミック・・・地方で見かける乗り合いトラックです。左はトラックですが、右はトラクターで荷台を牽引する形。いずれにしてもかなりの乗客が乗っており人気の様子。運賃は安いと思いきや、意外とそうでもないようです。

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