空想地図などを、(A・)B層とC層にどう訴求していくか、を考える際、なんとなくその手法は同じではない感じはしています。すんません、最近頻繁に登場する↓この図の再掲です。
空想コンテンツの充実の先に
空想コンテンツが充実することによって、B層にとって充実するものになればなるほど、C層にとって遠いものとなることはあり得ます。いまC層にとって取っ付きやすいのは、「従来の地図とは異なるアプローチで、想像力で入れて、正解がない」ことが大きいでしょう。私はC層の端くれであると同時にB層の端くれでもありますが、B層としては、ふつうの地図とておもしろいのです。未知の部分の答えを探すことのおもしろさがあります。ただ、その答えが揃えば揃うほど、様相は複雑になります。統計から3Dの風景から、さまざまな設定が揃うと、またそれを読み解くことに長けたB層、およびB層が結集したパワーに圧倒されて入れなくなるC層が現れ、空想地図はある種、現実の地図と同じ末路を辿ることでしょう。
私はゲーム・アニメについては全くわからないので、その分野に接するときは完全なC層ですが、ニッチなファンが多ければ多いほど、複雑で奥深く、かなり取っ付きにくいものになります。確かに地図を目次に、あらゆるコンテンツや統計、3Dの風景情報が揃うと、地図読解に長けた人やその他B層は、それぞれ持ち前の読解力で地図から都市のリアリティを組み立てていくでしょう。それは、現実の都市や地図を詳細に読み解くのと同じように、です。そうすると離れる人は離れるのです。
「正しさ」以外を許容する、想像力のトライアンドエラーの舞台として
具体的を考えると・・・地図をもとに、二次創作として小説を書いた人がいたとします。そこで多少人口の設定と風景から読み解く現実性と乖離していた場合、「そうじゃない」と総ツッコミが入ることもあるでしょう。私もうっかり中村市のリアリティを把握してしまったため、そのツッコミを入れられる側ではありますが、問題は、B層の読み解ける「正しさ」しか残らなくなった場合、そこは読解力あるB層以外は介入できなくなることです。
私は、現実の地図についても、C層でも読み解ける見方、遊び方を提示したいと思っています。
例えば、簡単な地図の読み方だと、よくこんな話をしています。
・地図の中で、文字や色が多いところは人が多く、文字や色の少ないところは人も少ない。
・市街地の中で、カタカナの建物名・店舗名が多いところは若年層が多く、漢字が多い建物名・店舗名が多いところは中高年が多い。
このくらいのシンプルな切り口が入口になろうかと思います。B層とて、子供の頃はトライアンドエラーを繰り返した末に読解の達人になったことでしょう。C層はB層にならないにしても、その「トライアンドエラー」をするには舞台が必要で、空想地図は格好の舞台になるだろうと思います。そこにおいて、「正しさ」は必ずしも重要ではないでしょう。何かしらの作品でも、現実を舞台にしても、多少の非現実性を加えてアレンジした「半架空」の舞台設定の物語も多々あるでしょう。そのようにアレンジも自由で良いでしょう。
レイヤー化することで住み分けできないか
なんとなく前々から考えていたことですが、そこは、多層を重ねる地図の特性…とも言える「レイヤー」が使えないかと思っています。例えば・・・
・R次元(リアル追求次元)…B層をはじめ、専門家も参画。時に修正も。建築系のコンペの舞台にも。
・A次元(鑑賞・参画次元)…A層向け。A層が気軽に参加できる二次創作支援やらアートプロジェクトやらも含め。
…ほか、A層の二次創作系はどっちに入るんだろうね、とか、ゲームに使うとか何とか、はまた専用の次元がいるかな、とか、いろいろこれからモヤモヤ考えたいと思います◎
(今日はここまで)