「パフォーマンス内覧会」ってなんだ???

東京・浅草にオープンしたバックパッカー向けホステルの内覧会が「パフォーマンス内覧会」でした。

・・・なんじゃそりゃ?

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このホステル、BUNKA HOSTEL TOKYOという、浅草六区(古くは東京有数の賑わい、今や昭和の歓楽街)に12月にオープンしたホステルで、アーケードの中に突如現れるオシャレ空間が少々目立ちます。ドミトリーがメインで1泊3,600〜5,000円ほど。外国人がターゲットの模様です。バックパッカー宿というのは、外国人と交流したい日本人にも良いところですよね。私も大阪や福岡で泊まるとき、そんな気分のときは泊まることがあります。

板の壁で仕切られ、カーテンはシッカリ閉まります。が、窓はありません。
面積や構造はカプセルホテル同様でしょうか。一般的な個室と、寝顔もオープンな開放ドミトリーの間、といった感じです。

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12月14日はそのオープニングパーティー兼内覧会で多くの人が訪れていました。

・・・ところでここ、ゴハンが超絶おいしい。バイキングって大抵そこそこの味なので期待してなかったのですが、いやはやオイシイ。会場となっていた1階は居酒屋として営業するようですが、メニューが・・・ナイ

さて、2階は居間theaterによるパフォーマンス内覧会です。
(先日、一緒にイベントをやっておきながら)居間theaterは一体ナニモノか分からないので、追いかけていたのですが、それにしても意味不明・・・

さて、カーテンを開けると、空室もありますが、何かが潜んでいる部屋もあります。

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ミラーボールにあわせてひょっとこ達が踊っています。
このひょっとこ達は、部屋から出て通路を踊っていたりもします。

また別のカーテンを開けると、空室も多いのですが、また空室かなーと思って開けてみると、あれ、人がいた・・・寝ていたサンタさんが起きて突然紙芝居を始めます。

「昼間に寝ようとしても眠りにつけないんですよね。そこで紙芝居を始めます。」
唐突に紙芝居が始まります。

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・・・と思ったら正味1分未満で唐突に終わります。シュールです。

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カーテンの奥から何やら声が聞こえるので、開けてみると、文庫本を読んでいました。まだ5分の1も進んでないので、かなり時間がかかりそうです。ほぉ、と思って眺めていると本を読む声が止まり、

「寝てみませんか?」

と密室のアヤシイ誘いが。
いや、本当に寝られるのですが、実際に寝心地を確かめることができます。
横にこの浴衣女性が佇む状態は、人によって安心感、人によっては誘惑、あるいは緊張感にもなり、ひとつのスパイスになっていたことでしょう。

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ん?こちらは…のび太くん?一言もしゃべらずじっとしています。

続いて「洗面所でパフォーマンスがあります」と案内が。・・・ん?

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さきほどのフルメンバーが揃って直立。リズミカルに水道栓を操作します。
そういえば巷の噴水で「シャッ、シャーッ、シャーーッ」とリズムを刻む噴水がありますが(私はリバーウォーク小倉の噴水を思い出した)、それを手動でアンサンブルしています。噴水とはビジュアルで楽しむのが通例ですが、これは音だけです。それも無表情で淡々と水道栓を動かすので、見た目はとてもシュール

会場に戻ると100人弱のパーティー参加者がおり、ご飯やお酒を交わしながら会話が弾んでいる様子でした。異業種交流会のようです。

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そこでさきほどの七福神が集合。大勢の前のパフォーマンスは、よく見るとシュールなのですが、単純におもしろいのと、見た目も華やかなので、会場のとなっていました。

黙って聞かなきゃいけない、あるいは、雰囲気的に拍手しないといけない感じの歌唱とは違い、観客への強制力なく人を惹きつけるのは、見てる側も気楽です。一つひとつの動きはシュールなハズなのになぜか終わると華やかでめでたい感じで、うまいこと言えませんがそんな感じでした。

今やほとんど見かけない「ちんどん屋」の効能を考えさせられます。日本風な賑わい空間の中心に、松竹梅の飾りや鏡餅、樽酒が置かれるように、「動くシンボル」として彼らは機能します。

最後のパフォーマンスだけでなく、さきほどの内覧にも鍵があります。それは、同じベッドが並ぶ暗い空間で、内覧者に対して「カーテンを開けて中を見てみよう」と思わせる内覧促進の効果があることです。

そして、最も鍵だと思うのは・・・ここに来ている人は基本的に、演劇やパフォーマンスを見に来ている訳ではない、ということです。基本的にはホステルの内覧かパーティーに来ている一般の人です。

劇場やパフォーマンスのための場所ではなく、オープニングイベントと内覧という、日常と非日常の跨る空間です。そこに演劇・パフォーマンス的な手法を、場作りと内覧促進の目的で応用しているのは、最近考えている「マニアックな技術を日常に棚卸しする」ことに繋がるな、と思ったのでした。

そうか、「パフォーマンスカフェ」もそういうことだったのか。お茶でも飲もうと思ってカフェに来たら、お茶の他にパフォーマンスがやって来るんだもんね;唐突ではあるけどおもしろい。逆に唐突なおもしろさ、拍手や参画、鑑賞を強要しない寛容さ、があるってことか。

これ、他にも色々できそうだな・・・具体的には全然思いつかないけど◎・・・と思ったのでした。

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