手を携える1年に・・・空想地図拡張の推移

今年は「人と手を携える1年に」という目標にしました。
そういえば、昨年は香港やシンガポールに行きましたが、こうした「英語を使う中華圏」にはスローガンをロゴにしたものがいくつかありました。なんかソレ風にしてみようと作ってみたのが↓こんな感じ。

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とりわけ香港やシンガポールに住もうとは思いませんが、たまに行くにはおもしろい所です。そんなところを思い出しつつ、一人で勝手にソレっぽさを感じつつ。

それはいいんですが、空想クリエイトラボ4人のクリエイターと1人のアシスタントが集まりました。
おいおい発表します。

前回の、「空想地図描画の変遷」記事で、過去の空想地図をあさっていたら、いろんなファイルが出てきました。当研究所、旧ロゴに時代を感じつつ・・・空想地図展の構想、実際の展示の4年前に考えていたようです。この頃から「クリエイターのプラットフォーム」とか言ってるんですね。

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4枚目にWeb、個展、その次は…?と書いてありますが、かなり気が早い
この文書が作られたのは、第一弾のWeb、「空想都市へ行こう」のサイトすらまだできてない頃です。この1ヶ月後くらいにサイトができたのです(それからリニューアルせず今に至るので、スマホ対応が遅くなってますが、今年はリニューアルします)。

Webは1ヶ月後の2011年8〜9月に完成しましたが、個展は4年後の2015年11月(モチーフとしての出展は2012年7月、2015年4月にもあり)、という遅さです。

2015年11月の空想地図展を「万物収集報告」展としましたが、その元となる万物収集報告は「クリエイターのプラットフォーム」として2013年4月に構想したものです。リンク先のTumblrを見ると、その後進みが止まり気味になったことがバレますが、展示の話が来た時に、このプロジェクトを復活させて展示内容にしました。

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この2013年というのがミソで、他に2つの構想が始まっています。

2013年6月、私をはじめ同業者他2名が初めてTV番組…タモリ倶楽部に出演しました。その打ち合わせや収録で、5月に架空地図同業者とのオフラインの交流が始まったこと、そこから何かできるのでは、と思ったことで、A・B両方向の拡張が模索されます。また、同年10月には、拙著「みんなの空想地図」という本が出版されました。

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Aは上で説明した万物収集報告ですが、それはBの繋がりができたことが発端です。スバラシイ架空地図同業者が出たことで、私は危機感を持ちます。「もう、私の時代はオワッタ!」・・・いや、考えすぎ、とよくツッコまれますが、本気で思ってました。そこで、拙作中村市の空想地図を、より地図以外の拡がり、深みをもたせよう、と、人を巻き込もうとしたのが、Aだったのです。

ちなみに、Bは「非実地測量組合」と書きましたが、その後「架空地図学会」(通称畝丘ゼミ)となっています。

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年に1〜2回実施、これまで4回くらいゆるゆると実施しています。
まさに架空地図のゼミ。進捗を報告しつつ、意見をもらいつつ。さらにメンバーの気になる街へ出向いての実施なので、フィールドワークもつきますが、郊外出身の人ばかりなのが架空地図作者の特徴。フィールドも郊外がほとんどです。柏&松戸、春日(文京区)、新所沢、横須賀・・・という推移です。そういえばそろそろ実施しようと思っていたのに時間ばかりが経っている・・・。

Bは通称「畝丘ゼミ」になったのに、畝丘さんが昨年、引っ越してしまいました。誰か言い出しっぺか火付け役はおらんやろか・・・と思う日々です。私自身、人を集めたり、場を作ったり、といったことに腰が重いのがボトルネックになっているのです。

そう、万物収集報告が停滞したのも、定期的に集まったりプッシュしたり…ということが苦手だったのが原因でした。2011年5月の4枚資料を見ても分かる通り、構想だけは思いつく。結局展示も、声をかけてもらって動きました。4年かかったのではなく、構想を考えた4年後にたまたま声をかけてもらったに過ぎません。本もそうです。全て受け身です。

受動的な姿勢を解決するための仕組みづくり

この受け身な姿勢については、特に批判がある訳でもないのですが、自分自身に警鐘を鳴らしている一要素ではあります。結論から言うと、この姿勢を変えることはかなり難しい。どこをどうひねっても、積極性は出てこない。

コンテンツを集める私の積極性には限界があれども、「空想クリエイトラボ」でコンテンツを集めるのではなくコンテンツを一緒に作ろう、という発想に至ったのは、昨年の居間theaterとのコラボレーションがおもしろかったのが発端です。

地図から都市を面的に眺める、つかむおもしろさを共有して、あらゆる表現手段で「作る」その相互作用、刺激で得られるものが大きいのではと思い、今回の企画は始まりました。いま振り返ってみて、前々から、幅広い表現の相互作用のおもしろさは予期していたようでした。しかし今まで叶わなかったのは、空想地図という土台が心許なかったということです。いまいち自信はありませんでした。

しかし、2014年から空想地図関連のワークショップを大学や公共施設で展開、2015年には建築関連のイベントや大学院でもお話する機会があり、居間theaterもこの空想地図を発端に何かをする、というスタート地点に目を合わせてくれたことで、この空想地図という土台、プラットフォームは、より日常を想像したり表現したりするのに実りある、おもしろい舞台なのではないか、という多少の自信を得られたことが、大きいようです。

そんな訳で空想クリエイトラボ、始まります。お楽しみに〜。

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