マニアフェスタと別視点とは/地理人的ホットワードから振り返る2019年(4)

さて、2019年を振り返ると、大きな出来事はこんな感じでした。こうして見ると例年よりやった感ある。

・出版2冊(地図感覚・方向オンチ本)
・東京都現代美術館での展示
・主にマニアフェスタにおけるたくさんの地図グッズ展開

前の投稿で言うところの3段目…に行きそうだけど…どちらかというと2段目くらいにあるものです。

本と展示の先に何があるのか?

本を出し、展示をしたところで、その先に何があるのか、どう開けるのか……これは素朴な疑問としてありました。両方を既に何回も重ねている友人であり先人、森井ユカさんと会う機会があり、この話をしてみたところ…「私も分からないのよね…」とのことで。わからないらしいです。わからないけどやる。ということでやろうと思います。その後考えたのですが、考えても展示を重ねてその先何があるかは分かりません。ただ、本は前の記事でも書きましたが、可能性があると思っています。

なぜ、マニアフェスタなのか

マニアフェスタの主催、別視点とのファースト接触は2017年です。同年5月の「空想都市『中村市』に珍スポットをつくろう」の共同開催が発端で、そのときは(よくある)1回(限り)のコラボイベント、くらいに思っておりました。空想地図、サブカルチャーとの相性は良いですし、遠くない界隈です。だからこそ他にも似たような機会が何回かあったのです。

と思ったら、同年6月、12月、とトークイベントに呼んでいただき、マニアの一人として話す機会もいただきました。ここまでも、時々あることです。ここから先がオヨッな展開です。2018年6月に第1回マニアフェスタがあり、ここで呼んでいただきます。まさかの物販イベント。初。何すればいいか分からない。だからこれまでどの出店イベントも申し込んだことはなかったのですが、受動的野郎地理人、誘われたら出るのです。大盛況。意外と売れる、あらビックリ。これが最初の「おや、他のところと違うぞ?」のはじまりでした。

その後、2018年10月には東急ハンズ×マニアフェスタがありました。ここではさらに売れた…ということもありますが、売上以上に「これぞ!!」と思う機会でもありました。東急ハンズ新宿店2階、じつに多種多様な人が行き交う場所です。これぞ、社会。こうしたイベントは時に、同人誌イベントと呼ばれたりもしますが、私にとっては確実に、そうではないイベントでした。

「同人誌」という言葉の正確な意味は分かりませんが、同じ趣味の人に向けた雑誌、というニュアンスがあると思います。その中には、多数派の一般人に対して劣等感があり、少数派なオタクしかいないために安心して自分を出せる、作ったものを出せる、という人もいます。そういう意味でコミックマーケットは貴重な場所で、もはや少数派とは言えないほど大きなマーケットになっています。そしてそれは、独特でユニークな界隈を生みます。

比較的、Facebookは嫌いで2ちゃん(5ちゃん?)やTwitterを好み、多くの人には素性を隠す代わりに、それを好む人同士のネットスラングが共通語になる……という人が多い印象ですが、逆に私は怖くて入っていけない、という抵抗感はありました(私が思ってるほど怖くないみたいなんですけどね。少なくとも私の友人知人の出店者は全く怖くない)。しかしそれ以上に、同じ趣味の人だけに届ける、ということそのものに、そこまで興味がなかったのです。過去の経験上、空想地図は、近い趣味者よりも、当初は思ってもいなかった界隈(アートとか社会起業とか)のほうが受けが良く、むしろ先入観のない一般の人にこそおもしろがって見ていただけた、と思っています。そういう意味では今年の東京都現代美術館の展示をはじめ、アートとしての展示も良い機会でした。

これぞ、社会。

だからこそ、むしろ近い趣味者やマニアではなく、そんな趣向なんて知りもしない多くの人に広く届けたい、と思っていました。その場が、東急ハンズにあったのです。「ナニコレ…」と興味を持って眺めて去っていく人、眺めたけどよくわからんわ〜と去っていく人、たまに興味を持って話すけど買っていかない人、さらにたまにその上で買っていく人…といろいろな人がいます。人通りの多い通路のようなところなので、多くの人は、興味がなく通過する人です。これぞ、社会。これでこそ社会に触れている気がしたのです。

互いに開き、社会に開く人々

最近、新しい地理人Webサイトで表明した、本業としてのコンセプト「地理情報の編集とデザイン」の内訳は、地図、地理に対する知識や興味がない、一般の多くの人にその価値を届けるアプローチを開拓することにありますが、マニアフェスタを主催する別視点も非常に近かったのです。そして、ここに集まる人々(別視点が言うところのマニア)も、自分とは異なる趣味、感性の人に届けることに心を開いています。それゆえ、各マニアが互いに関心を持ち、互いに伝えようとします。そして、社会に届けようともする…彼らとは目線も合い、通じ、仲間になれると思ったのです。

別視点は、もともと珍スポットとその主人を追うライターだったのが、あらゆるマニアの視点を追うライター兼ツアーガイドになり、イベントプロデューサーに。そして、物販&コミュニケーションイベント、ひいてはその人しか持っていない固有の感性を持った人々(マニア)のプラットフォームになってきていますが、これをどう社会に届けるか、社会に対してどう届けると価値になるか、ということを考えて試行錯誤をしている途上でもあります。(別視点と違ってうちはワンオペ野郎だけど、めっちゃ一緒!!)

そんな具合で、(関係者の目指すところが非常に近いので)そのためなら何でもしますぜ!というマインドになっておりますが、そして、出版にしろグッズにしろ、コラボしようという相手はマニアフェスタで出会っています。そういえば別視点もWebサイトリニューアルしています(うちと近いタイミングで…)。別視点および界隈のみなさまの今後の動き、楽しみにしているとともに、この界隈に限定せず広く社会に息づく多様な皆様、来年もどうぞよろしくお願い致します。

SNSでシェアする。